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愛着を持って末長く付き合えるパートナー。

自転車メーカー「Vigore(ビゴーレ)京都本店」。

近所へのお出かけや毎日のお買い物など、日常的な移動手段として利用することの多い「自転車」。
「移動したいから自転車に乗る」という発想が基本かと思いますが、「自転車に乗りたいから出かける」そんな気持ちにさせてくれる自転車だってあります。

今回ご紹介するのは、オーダーメイドブランドとして92年の歴史をもつ「VIGORE(ビゴーレ)」さん。
注文が入ってから、その人にとっての最高の一台を作り上げる自転車メーカーです。
グッドデザイン賞の受賞歴もある美しいフォルムの自転車もご紹介しますので、是非ご覧ください。

洋服を選ぶように、自転車のパーツをカスタマイズ。





お話をお伺いしたのは、三代目ビルダーである片岡聖登さん。
VIGOREは、一代目の家業が鍛冶屋をしていましたが、片岡さんの祖父がその鉄加工の技術を活かして自転車作りを始めたことから、今年で92年目を迎えます。

「オーダーメイド」と聞くと値段的にもハードルが高く感じますが、VIGOREでは車体及びオリジナルパーツをロット生産し、コンセプトごとにわかりやすいパッケージ販売にて展開されているため、初心者の方でも手が出しやすくリーズナブルなのが魅力です。
洋服を選ぶようにフィッティングを重ねることで感覚的に自分に合った1台を作ることができるので、専門的な知識がなくても、楽しくお気に入りの1台を作ることができます。


京都「国際会館」駅から徒歩1分という便利な立地にあるお店は、たくさん並んだ自転車が目印です。
写真にある「山と旅の自転車プラス」は、2015年にグッドデザイン賞を受賞しました。


VIGOREには、親子代々で訪れる方もいらっしゃいます。
先日は、昔母親がVIGOREで買って乗っていた自転車を自分用にメンテナンスしたいと、息子さんが来店されました。女性用で小さかったそれぞれのパーツを入れ替え、息子さんが乗りやすいようにカスタマイズされたとか。

自分が乗って試す。



1929年の創業以来、VIGOREは自転車市場の変化と共に歩んできました。
創業当時は自転車が高級品だったこともあり、1960年代競輪場を走る競技用自転車か地道を走る旅行車のオーダーメイドが主体でした。
高級なスポーツ用自転車はヨーロッパ製が主流でしたが、それでは日本人の体形に合っていなかったため、競輪場を走る競技車や旅行車を製造していたのです。
そこから1970年代に入り、道路のアスファルト舗装化が進むにつれてロードバイクが台頭。VIGOREとしてもシフトチェンジしていきます。その後トライアスロンバイクやダウンヒル競技用ダブルサスペンションマウンテンバイクなどの競技用自転車の開発等々を進めた後、今のスタイルにたどり着きます。

VIGOREの運営方針は、1代・2代・3代とまったく別もの。その技術や精神は代々受け継ぎながら、運営方針は個々変化してきました。3代目である聖登さんのモットーは「まず自分が試す」。

トライアスロンからマウンテンバイク、ダウンヒルまで、様々な競技に挑戦しては、その競技用自転車を自ら作って試合に臨んできました。自分が乗った感覚や楽しい!気持ちいい!という想いをカタチにすべく、自ら乗っては設計に反映する、を繰り返し、競技自転車としての精度を高めることに努めながら自転車に乗ることの楽しみを伝えてきました。
しかし、あまりにも使用目的が特化したものになり過ぎて競技以外には使用できないものになってしまったため、フィールドを都市空間中心に移行し、一般の人が快適に移動したり休日にサイクリングを楽しめるような暮らしの中にフィットする物作りへとシフトしていくことを決めます。









試作や単品のフレーム製作の注文が入ったら、その人の体や乗り心地に合わせてフレームを制作します。
パーツを1mm単位で調整し、溶接してつなげ合わせる作業。磨き上げられた職人の技が光る工程です。


vigoreの自転車は、無駄なものを極限まで削ぎ落とした洗練されたシルエットが、その魅力のひとつです。

移動手段としてだけではない、乗る楽しみを伝えたい。









片岡さんの自転車製作の根底には、自転車を生活に取り入れて日々の暮らしを楽しんでもらいたい、という想いがあります。
最新モデルの「山と旅の自転車プラス」の企画も、自身の幼少期の体験が原点でした。

中学生くらいまでは、毎日のように自転車に釣り竿を乗せて山に遊びに行っていた片岡さん。学校が終わってから山や川で過ごす時間や自転車と共に遊びに行くこの時間が、とても豊かな時間で楽しかったとか。
そんな豊かな時間の過ごし方を今の人たちにも伝えたい!その想いから、中速程度の走行時に心地良く、かつよく進み、荷物を積載した時に荒れた路面でもバランスよくハンドリングが安定する独自設計を企画し、「山と旅の自転車プラス」が完成しました。

「自転車=移動手段」と考える人も多いかと思いますが、「移動手段」と言ってしまうと移動とは無駄な時間で、無い方が嬉しい時間のように感じます。そうではなく、自転車に乗る時間を無駄ではない楽しい時間にして欲しいのです。ペダルを踏みしめた時の感覚が気持ちよく、走っている時の風が心地よい。そんな自転車だったら、「自転車に乗りたいから出かける」という気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。

どう遊ぶか。どう楽しむか。
自転車を通じて、人々の暮らしが少しでも楽しく豊かなものになるために。片岡さんは今日も自転車と向き合います。





いかがでしたか?
片岡さん曰く、人それぞれ心地よいスピード感がある。心臓のスピードや脈拍などによって心地よいと感じる乗り心地は違ってくるので、道具に自分を合わせることなく、自分に合った道具を使いこなすことが望ましいとのこと。
自分だけの1台。手に入れてみてはいかがでしょうか?

<vigore 京都本店>
〒606-0033
京都府京都市左京区岩倉南四ノ坪町55
TEL:075-791-6158
【営業時間】
平日 13:00〜19:30
土日 10:30〜19:30
定休日:火曜・年末年始
※火曜が祭日の場合は翌日休業

http://vigore.co.jp/



 

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