日々の暮らしに癒しと安らぎを与えてくれる、植物。
木々の緑を眺めているだけで、ほっと気持ちが安らいだり、気分が晴れたり。そんな不思議なパワーが植物にはありますよね。
今回はそんな植物の魅力に魅せられ、植物を人々の暮らしの中に少しでも取り入れてもらいたい一心で様々な活動に取り組まれている、奥田 由味子さんにお話をお伺いしてきましたので、是非ご覧ください。
植物が日々の暮らしを豊かにしてくれる。
ガーデンプランナー、園芸療法、Green Hospital Project ホスピタルガーデナー、ワイヤークラフト作家と、様々な肩書をお持ちの奥田 由味子さん。
元々はインテリアデザイナーとして建築関係のお仕事に携わっていましたが、旦那さんの転勤をきっかけに転職。子どもの頃から大好きだった植物に関わる仕事をしようとガーデンショップに勤め始めたことで、ガーデンプランニングの世界に足を踏み入れることになります。
その後、再度旦那さんの転勤により滋賀県に戻ってきた奥田さんは、新築を購入されたお客様に理想のエクステリアやガーデンを提案するガーデンプランニングの会社に勤めます。
この時、奥田さんが感じたのが「植物を必要としていない人は意外と多い」ということ。むしろ雑草を嫌がって、土を残さずコンクリートで覆ってしまうエクステリアを望まれる方が多かったのだとか。
植物が暮らしを豊かにしてくれると感じていた奥田さんは、そんなお客様にもガーデニングの良さを説き、少しでも植物を取り入れるプランを提案したと言います。その甲斐あって、グリーンのあるエクステリアを作られたお客様から、後々になって「あの時、植物を植えておいて本当に良かったです!」と感謝されることもしばしば。「植物が暮らしを豊かにしてくれる」という想いは間違っていなかったと確信するようになった奥田さんは、もっと植物好きな人を増やしていきたい!と願うようになり、会社を辞めて独立し、フリーランスとして活動の幅を広げていくこととなります。
植物好きを増やしたい。
植物のある暮らしを…と言えども、どこの家庭にもお庭があるわけではないし、ベランダガーデニングもハードルが高いと感じる方はたくさんいらっしゃいます。そんな方でも、気軽に暮らしの中にグリーンを取り入れてもらえる方法として奥田さんが始めたのが、ワイヤークラフト。
ペンチ1本あれば作れる手軽さと、そこにたった1輪のお花を添えるだけで気軽にグリーンを取り入れることができるのが魅力で、これならお庭のないご家庭でも家の中に小さなお庭を作ることができる!と夢中になり、「wire × plants」というオリジナル作品の制作も始めました。
定期的にワイヤークラフトのワークショップを開催することで、ワイヤークラフトを作ることをきっかけに植物を家の中に飾ることに興味をもつようになる方も多いそう。そうやって、少しずつ何かのきっかけに「植物好き」になってもらえればいいと、奥田さんは考えてます。
庭造りに密着!
今回の取材では、以前キラリオマガジンでもご紹介したレリッシュさんの庭造りの1日にお邪魔させていただきました。(「レリッシュ」さんの記事はコチラから)
ガーデンプランニングをする際、初めに確認するのはお客様の理想やご要望。そこに奥田さんの提案をプラスして、どんなお庭にするのか摺合せしていきます。
レリッシュさんでは、離乳食教室の開催等もあるので、子供連れのママさんが来店されることが多々あります。教室中や休憩の際に子供たちが裸足で遊び回れるような場所を作ること。レリッシュを訪れることで四季折々を感じ、その四季に応じてお庭で育った食材を料理教室に取り入れ、食べる楽しみも味わえること。1年を通してお庭が変化していき、来るたびにまた違う楽しみを得ることができること。
これらを叶えられる空間にするため、庭造りがスタートしました。
まずは完成イメージを双方が共有できるようにイラストに落とし、同じ出来上がり像を思い描きながら庭造りに取り組みます。
子どもたちが裸足で走り回れるように、広いスペースのお庭には芝生を張ることにしました。根の張りをよくするため、まずは芝生の下地となる土を整えるところからスタートです。
約50袋の土をまんべんなく敷き、軽く踏み固めてから全体的に水をまきます。
下地ができたら、1〜2cmずつ離して芝苗を互い違いに置いていきます。芝を敷き終わったら、その間隔を埋めるためにさらに土をかぶせ、土と芝生をなじませます。
足で踏み固めたらたっぷり散水します。張ったばかりの芝は乾燥しやすいので、たっぷりと水を撒くことで根元まで水が行き届くようにします。
レリッシュのシンボルツリーである唐楓(トウカエデ)の他にお隣から見えにくくするための目隠しとして常緑樹の銀木犀(ぎんもくせい)とシルバーティーツリーを植樹していきます。
四季を感じ取れるよう、お庭には主に落葉樹を植えています。落葉樹は、春に新しい葉が萌芽し、秋になると葉が落ちていきます。その様子を見て四季を感じることができるのです。
依頼者と一緒に造る。
奥田さんは、これまで庭造りを手掛けてきて、ここ数年で特に心がけていることがあります。
それは、自分がすべて完成させてしまうのではなく、依頼者自身にも庭造りに参加してもらい、「一緒に造る」ということ。
なぜなら、お庭やプランターガーデンにしても、出来上がったら終わりではなく、それを維持継続し、生きている植物を日々育て続けていくことこそが大切で、難しいことだからです。綺麗なお庭を一時的に造り上げることはある意味簡単ですが、数ヶ月後に枯れ果ててしまっていては、何の意味もないのです。
この日も、レリュシュのオーナーである森さんも一緒に、芝生を張ったりシルバーティーツリーの植樹をされていました。
こうやって自分が植えた、自分も参加した、という意識をもってもらうことによって、出来上がったものに対する愛着も全然変わってくるし、植物を大切に育てよう・育てたいという想いが生まれてくると奥田さんは言います。
自分は、植物を好きになるきっかけを作りたいだけ。一度その気持ちが芽生えてくれたら、後は本人が自発的に増やしていったり維持していってくれるはず。「ガーデンプランナーと言うよりも、”庭造りの伴走者”の方が、私のスタイルには合っているのかもしれません」そう奥田さんは笑います。
こちらは奥田様のご自宅のお庭で、サンプルガーデンとしてお客様の庭造りの参考にもなっています。
植物が人を元気にする。
奥田さんのもう一つの顔は、園芸療法とホスピタルガーデナー。
園芸療法とは、花や緑を通じて人々の心身のケアを行う療法士のこと。ホスピタルガーデナーとは、 緑のを病気や障がいと向き合っているに届けるためのプロジェクト「Green Hospital Project」において、庭を美しく維持管理し、医療に関する知識を持ちながら患者さんとコミュニケーションをとる人材をそう呼んでいます。
どちらも園芸作業を通じて人々の心と身体を元気にしていく、という活動です。
介護施設等で利用者さんたちと一緒に庭造りをしたり、日々の水やりや花の手入れなど何らしかの”役割り”を担ってもらうことで元気になったりイキイキと日々の暮らしを楽しむ利用者さんが増えたと言います。
植物の力はやっぱりすごい!!日々そう実感する奥田さんは、これからも植物の素晴らしさを人々に伝え、植物を通じて日々の暮らしを豊かなものに変えていくための活動を続けていきたい、と語ります。
まだまだ叶えたいものがたくさんある。奥田さんの夢が尽きることはありません。
いかがでしたか?
奥田さんのインスタには、かわいいワイヤークラフト作品や素敵なお庭やガーデニングの写真が多数UPされていますので、是非日々の癒しとしてご覧になってみてくださいね♪
<wire × plants アトリエ>
滋賀県大津市大石
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