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自分に還ることのできる場所。

「フリースペース ヨルの真ン中」。

仕事や家事、子育てに追われて慌ただしく過ぎていく日々を過ごしていると、ふと自分が本当にやりたかったことって何だったっけ…と考えてしまうこと、ありませんか?

今回お話を伺ったのは、そんな多くの女性が経験しがちな葛藤を乗り越えて「自分に還(かえ)ることのできる場所」を見つけた、4児の母であり「フリースペース ヨルの真ン中」の代表でもある馬場彩佳さん。

どこか満たされない気持ちを抱えている方には、仕事や子育て、生き方に対するひとつのヒントがあるかもしれませんよ。是非ご覧ください。

8名の女性フリーランスメンバーが集う場所。



京都・伏見にある「フリースペース ヨルの真ン中」は、フリースペースとありますが一般的なレンタルスペースではありません。代表である馬場彩佳さんを含めた8名の女性フリーランスメンバーが集結し、それぞれのお店や教室、工房を運営しています。

各々が本当に「好き!」「楽しい!」「心地よい!」と思うモノやコトを発信している、というだけあって、そのテイストや業態は様々。

2児の母でもある現役薬剤師さんが運営する療術所もあれば、誰でも安心して食べられるよう米粉で作った手作りお菓子のお店や、雑貨やキッズウェアの手作り教室などなど。元々は知り合いでも何でもなかった7人のメンバーが、代表である馬場さんを介して集い、お互いの得意・不得意を補い合いながら共存しています。

馬場さんは現在、小学校6年生・3年生・5歳・2歳の4人の女の子を育てているママさんでもあります。
4人目のお子さんが生まれる前までは、工務店で事務や広報の仕事を担っていました。仕事・家事・子育てに明け暮れる毎日は、一見充実しているようでただ忙しく日々が過ぎ去っていくだけのように感じていたと言います。

家事と子育てだけで1日が終わってしまうことは納得がいかないので、責任ある仕事を全うすべく頑張る。
自分の時間も持ちたいので、何とか時間を確保できるよう子どもたちを早く寝かせて趣味の時間に充てる。

納得感と満足感を得ようと、自分自身に課題を課して目の前のことに懸命に取り組みますが、子どもたちは思ったように動いてくれないし、たまに時間を確保することができたとしても体は疲れているので充実感よりも先に満たされない想いの方が勝ってしまう。子どもに優しくできない時もあることで、自己嫌悪に陥ることもしばしば…。

そもそも、自分は何がしたかったんだろう?本当に好きなもの、大切にしたいものってなんだったっけ?
日々の暮らしに追われる中で、そんな自問自答を繰り返すようになります。

何もないと思っていた自分の強み。





日々の中で自分自身を見つめ直す時間が増えてきた頃、4人目の妊娠が発覚します。
働くことを諦めたくない!と仕事に固執してきた馬場さんですが、さすがに4人の子育てとなると手放さなくてはならない状況に陥ります。

会社にも理解してもらい退職を決めたものの、「自分は何がしたいのか?このままでいいのか?」の自問自答に対する答えは見つからないまま。そんな時、マイホーム購入の候補物件で今の「ヨルの真ン中」のスペースに出会い、ここで自分の好きなモノやコト、ヒトを集めることを思いつきます。

結婚や出産というライフイベントに適応していくためにいろいろな職を点々としていたことが功を奏し、気づけば周りには尊敬できる友人がたくさんいました。
すでにフリーランスとして活動していた友人も多かったため、当時は友人たちのように自分で何かを生み出せない自分にコンプレックスを抱いていた馬場さんですが、自分ではできないけれど、できる人たちを集めて何かをすることはできるのでは?!点と点を線につなげることこそ、自分の強みなのでは?!と発想を転換したのです。

こうして、馬場さんが「好き!」と思うモノやコト、ヒトが「ヨルの真ン中」に集結することとなりました。



玄関のような入り口を入ると、半地下部分に3店舗が軒を並べています。







こちらは、刺繍オーダーを受けながらワークショップや数秘講座などを開催している「みるまに」さん。この日も「刺繍部」と称するワークショップが開催されており、タッセル作りやミラーワークが行われていました。







食育インストラクターであるMina Toyoshimaさんが運営する「ごはんとおやつ huahua」さん。「ココロとカラダが喜ぶ元気になるごはん」をテーマに、地元京都で採れた野菜や丁寧に昆布や鰹からとったお出汁を使った優しく美味しいご飯を提供されています。





「アンダーツリー」では、お子さんから年配の方までどなたでも安心して食べられるこだわりの米粉スイーツを販売されています。ひとつひとつ手作りされた、優しいおやつはいかがですか?



お店ゾーンを通り抜けるとそこは、京都伏見桃山手芸教室「tedukuri<テヅクリ>」の工房が。手芸教室の開催やオーダー販売も受け付けておられます。





2F・3Fは、馬場さんのご自宅兼「ヨルの真ン中」のワークスペースです。ダイニングでは8人のメンバーによるミーティングが行われたり、キッチンでは「hamon.32」さんによる手作り石けん教室が開催されています。



3Fには「devon療術所」で使用する施術スペースが設置されています。壁紙のイラストと緑の配色がとってもかわいいお部屋になっています。

自分を取り戻すことで、周囲にも優しくなれた。



「ヨルの真ン中」を始めてから、「生きるのが楽になった」と語る馬場さん。
今までは仕事と暮らしがまったく別ものだったため、どう両立させるのか、どちらを優先させるのか、に日々葛藤しながら何とかこなす毎日でした。しかし、今は暮らしの中に仕事があるので、自分のペースで仕事と暮らしを調整することができます。また、自分の好きなコトやモノ、ヒトしか集めないというポリシーに基づいた場所になっているため、活動を発信することも宣伝に走り回ることも苦ではなくなったと言います。

「ヨルの真ン中」のコンセプトにある「自分に還ることのできる場所。」は、馬場さん自身がこの場所を作ることで得られたものであり、それを多くの方にも広げていけたら…という願いを込めてつけられたものです。

女性は誰しも、「母の顔」「妻の顔」「仕事の顔」等様々な”顔”を使い分けながら、それぞれと懸命に向き合っています。そうすることでいつしか「本来の自分の顔」が何だったのか、わからなくなることもあるのではないでしょうか。「ヨルの真ン中」を訪れることでいろいろなモノに触れ、優しいご飯やおやつをいただくことで自分自身を取り戻し、「自分に還る」時間を作ってもらいたいのです。

馬場さんは、自分を大切にすることで笑顔が増え、旦那さんやお子さん、周囲の人たちへの感謝の気持ちが増えたことで今までよりも優しい気持ちになることができたと言います。みんなが同じように、自宅で仕事ができることは難しいことだと思います。しかし、暮らしと仕事や子育てを切り離さず、暮らしの一部として仕事や子育てを捉えることは誰にでもできることかもしれません。
そのために大切なことは、自分自身が好きなこと、楽しいこと、心地よいと思うことを見つめ直すこと。その心地よさの中で自分にとっての最適な働き方や子育てのリズム、暮らしのあり方を模索してみてはいかがでしょうか。

「ヨルの真ン中」には、そのヒントがあるかもしれません。是非一度、訪れてみてください。



いかがでしたか?
忙しい毎日かと思いますが、少し立ち止まって「自分に還ることのできる場所。」がどこなのか、考えてみるのもいいかもしれません。昔から、「お母さんの機嫌良いことが家庭円満の秘訣」と言います。旦那さんのため、子供のため、仕事のため、と行動しすぎず、「自分のため」を追及することが周囲を明るく照らすことにつながるかもしれませんね。

<フリースペース ヨルの真ン中>
〒 612-8209
京都府京都市伏見区下鳥羽南六反長町32
TEL:075-748-8815
※各ショップの営業日等は、HPもしくはInstagramをご確認ください。

▶HP
https://yoru-naka.shopinfo.jp/

▶Instagram
https://www.instagram.com/yoru_naka/


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