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好きとこだわりをつめこんだ

今風の「喫茶店」

今回取材をさせていただきました「喫茶Cizool Coffee&Wine」は、サイフォンで淹れた本格的な珈琲を祖父母の代から受け継がれるコーヒーカップでいただけます。また、ソムリエでもある店主が仕入れているこだわりのワインも楽しめる喫茶店です。
カフェでもない、バーでもない「喫茶店」を営む店主の古谷(ふるたに)さんにお話しを伺いました。

祖父母の代から受け継いだ、一風変わった「喫茶店」





「喫茶Cizool Coffee&Wine」は、観光名所、東寺・五重塔から歩いてすぐの所にあります。迫力のある五重塔を楽しんだ後、ひと息つくのにもとてもおすすめです。



30年ほど祖父母が営んでいた喫茶店を受け継ぎ、2020年7月にリニューアルオープンしました。古谷さんは大学卒業後、修行の意味も込めてレストランや洋食屋さんで働かれていたそうで、祖父母の営む喫茶店の最後10年ほどは同時にお手伝いもされていたとのこと。腕を磨いた料理を喫茶店で出すこともあり、いつかは喫茶店を開きたいと考えていたそうです。

実は以前の喫茶店の雰囲気があまり好みではなかったけど「喫茶店」はとても好きだったと話す古谷さん。自分が喫茶店を受け継ぐとなった時には昔の喫茶店とはがらっと印象を変えて、喫茶スタイルを残しつつ、全く新しい喫茶店にしたいと思っていたそうです。



その言葉通り、店内は古谷さんの大好きな映画や音楽が流れており、祖父母の代から受け継がれるコーヒーカップが並べられ、カフェのようなオシャレさと昔ながらの喫茶店の雰囲気を兼ね備えた、カフェでもなくバーでもなく、まぎれもなく「喫茶店」がそこにはありました。





また、他の喫茶店とひと味違うところは何といってもワインも楽しめるところ!古谷さんは珈琲と通ずるところもあるワインにも造詣が深く、好きが高じてソムリエの資格を取りました。そして、喫茶店をやるなら珈琲もワインもどっちも出そうと決めていたそうです。



何でも好きなものにはとことんでオタク気質だと話す古谷さん。高校3年生の時に推薦入試で大学が決まっていた古谷さんは、そこからたっぷり時間ができ映画を観まくる日々だったそうです。その時期に運転免許も取得したそうで、高校生にして時間の使い方が有意義かつ上手すぎて私も見習いたく思いました。笑

実は店名も映画のセリフからインスパイアされたとか。高校生の時に『グリッド・ロック』という映画の中のセリフで、50年代のジャズをやっていた人たちの間で流行ったスラングがあったそうです。単語の頭文字と2文字目の間に「iz」をはさむ、そのセリフに感銘を受けた古谷さんはいつか必ずどこかで使おうとあたためていたのだとか。そこから「cool」の頭文字と2文字目の間に「iz」を入れたスラング「cizool(キズール)」が店名となったわけですね。



由来が映画のセリフからというのも渋くてクールですよね♪

サイフォンで淹れる本格珈琲



店内はカウンター席がメインで奥にテーブル席が1席設けられています。奥までまっすぐと伸び幅の広いカウンターでは、古谷さんがサイフォンで淹れる珈琲の様子を間近で見ることができ、ライブ感も見ていてとてもワクワクします。

珈琲は浅煎り・中煎り・深煎りの3種類から選べます。豆の焙煎をしたてのものと少し時間が経ってからのものでは味が全然違ってくるので、朝必ず飲んで味の確認をしているそうです。分量をきちっと量っていても攪拌の仕方でも味が変わってきてしまうサイフォンで淹れる珈琲、奥が深い…!サイフォンでの珈琲の淹れ方は祖父に習ったり、サイフォニストの方のYouTubeの動画を観たりして独学で覚えられたそうです。



サイフォンで淹れたコーヒーをいただいたのは恥ずかしながら初めてで、中煎りの珈琲を入れていただきました。
実は初取材とあって緊張もあり、常にドキドキしていたのですが実際に淹れていただいている様子を見ていて「すごい!おもしろい!たのしい!」という気持ちが先走り違うドキドキ感が勝ってしまいました。笑



ナルミのコーヒーカップはうっとりするような美しさでした。中煎りの珈琲は酸味の中にもほどよく苦みがありバランスが良く、口当たりもなめらかで飲みやすく鼻から抜ける珈琲の香りがとても心地良かったです。

喫茶店ならではのメニュー







今回の取材ではたまごサンドとナポリタンをいただきました。こちらのたまごサンドは、鶏を地面に放して飼う養鶏法の平飼いで作られた卵を使っています。鶏は地面を自由に動き回り、本来の習性に沿った生活ができるので健康になり良い卵を産みます。飼い方からこだわる卵は卵本来の味がとても濃くしっかり感じられました。
といた卵をさらにこして使っており、口当たりがなめらかでふわふわの卵。ほどよい塩味のある厚めに焼かれたふわふわの卵、そして薄くスライスされたきゅうりと酸味のあるマヨネーズとの相性が抜群で、とにかく!美味しい!!





ナポリタンらしいナポリタンにしたいという想いから、麺は2.2mmの太めで、前日から湯がいた状態のものを1日寝かせることでもちもちの食感の「逆アルデンテ」状態に。自家製のトマトソースはケチャップを使わず、トマトとベーコンや玉ねぎ、人参、セロリなどの香味野菜をじっくり炒め、甘みを出しケチャップの代わりになるくらい濃厚なソースに仕上げています。ナポリタンにたまごサンド…他にはモーニングにトーストのセットやランチメニューにはオムライスもあります。ザ・喫茶店のメニューはこだわりの食材を使いオーダーが入ってから丁寧に仕上げて下さいます。

メニューはコーヒーとワインどちらにも合うように考えられています。こういうメニューを作ろう!と考えてから食材を選んだりするそうで、旬の食材を使うことは必ず意識し、特にワインに合うかどうかを考えながら作っていくそうです。







取材をしてみて感じたことは、お店はぱっと見た感じ今風のカフェでカウンターだけと思うと少し入りづらい印象を受ける方もいらっしゃると思いますが、古谷さんの好きとこだわりがつまった空間は、秘密基地にきたような感覚になりました。ジャズが流れる店内は居心地が良くリラックスできて時間を忘れて思わず長居してしまいそうです。本格的なコーヒーと喫茶店ならではのメニューを楽しめて喫茶店初心者のわたしでも「絶対に通いたい!」と思ってしまうくらい素敵なお店でした。通いたいと思えるお店を見つけられた時のあの高揚感は何とも言えないですよね♪
次回はぜひワインも飲んでみたいですし、メニューも全制覇したいです。笑



いかがでしたか?
答えのない珈琲への追求に余念がない古谷さんの淹れる珈琲、そしてワインをぜひ味わってみて下さい☆
みなさんも「喫茶Cizool Coffee&Wine」でゆったり時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

▼喫茶Cizool Coffee&Wine
〒601-8424
京都府京都市南区西九条川原城町5
営業時間:月~土 9:00~15:00
店休日:日曜・祝日
Instagram:https://www.instagram.com/cizool.kyoto/



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