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【本とわたしの物語 Vol.3】

青春時代の記憶と共に

こんにちは、キラリオインテリアの日高です。皆さんは自分の青春時代に読んだ本と聞いて何を思い浮かべますか?昔読んだ本を大人になってから読み返すと、当時の感覚がまるで昨日のことのように思い出せるなんてこともありますよね。今回はキラリオスタッフの川野さんに、そんな思い出の一冊にまつわるお話をお聞きしました。

登場人物に自分と重ね合わせる

川野さんのお気に入りの一冊はこちら。



『冷たい校舎の時は止まる 上・下』 講談社
辻村深月さんによる推理小説。雪のふる日、時間が動かない学校に閉じ込められた8人の高校生と、彼らが忘れていた大切な過去を巡る物語です。映画化もされ、漫画版も発売された人気の作品になります。



川野さんがこの本と出会ったのは、受験勉強真っ最中の高校生の頃。ちょうど登場人物のみんなも受験を間近に控えた高校3年生の同年代の子どもたちということで、キャラクターそれぞれの心理描写にとてもひきこまれたそう。
「みんなそれぞれ高校生らしい悩みや葛藤を持っていて、それが当時受験ノイローゼ気味だった自分にも響いたんです」
本の中に出てきた人物たちも、受験を間近に控えたゆえの悩みと直面していて、特にその心理描写に心を掴まれたとか。多感な時期だからこその悩みって、まだ上手くそれが消化できなくて、もどかしくなることがありますよね。そんな葛藤を、この本がうまく言葉で表してくれたり、解決のヒントを提示してくれたりしたんですね。
「ミステリーってネタバレを知っていると楽しめないジャンルの物語というイメージが強いと思うんです。でもこれは結末を知っていてもその心理描写が面白くって、何回でも読み返しました」
物語としてももちろん面白いけれども、じっくりと登場人物たちに感情移入して読めるところがこの小説の魅力だそう。川野さんにとっては、この物語が自分の青春時代のひとつの教科書になったんですね!

アルバムのような宝物の本

あまり本が捨てられない方だと語る川野さん。手放せない本が色々ある中でも、特にこの本は印象深いそう。大人になった今改めて読むと、高校生だった当時の心境を思い出せるのだと言います。
「色々悩んでいたなって感慨に浸れるんです。それから、今思えば大したことはない悩みだったなあって」
初めて手に取った時の感覚だけでなく、そこから自分の積み重ねてきたものが、その本にまつわる想い出になっていくんですね。



川野さんにとって想い出の本というのは、時々懐かしさに駆られて開くアルバムと同じようなものだとか。新しいワクワク感を与えてくれることは少なくなっても、当時を思い出せるものとして、アルバムをめくるように本をめくりたくなる。そんな風に本を楽しんでいるのだそう。
「この本は自分にとって一言でいうと青春。ずっと手元に置いておきたいと思える本です」と話してくれました。

映像と本、それぞれの楽しみ方



「映画が好きで、普段は映像作品を見ることも多いです。でも映画館で見たときの音や映像が作り出す臨場感とは逆に、本で読むからこそ感じられる雰囲気もあると思います」
映像だからこそ綺麗だと感じるシーンもあるけれど、本でないと伝わらない細かい表現もあり、そこが好きだとか。たしかにより詳しい心理描写が出来る点は文章の強みですよね!しっとりとしたミステリー小説なら特に、小説だからこそ心に響いたり感情を揺さぶられたりするような魅力がありそうです♪



「あと、上下巻で並べると絵が繋がるのが可愛くてお気に入りです(笑)」
そういって表紙を並べて見せてくれました♪
長編ならではの遊び心のあるデザイン!

いかがでしたでしょうか?
子どもの頃に読んだ本は、大人になってから読むと改めて気づかされることもありますし、それぞれの想い出が詰まっているもの。
皆さんも想い出の本を読み返して、感慨に浸ってみてはいかがでしょうか?

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