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日々是、ほがらかに生きる|No.13

暮らしのちょうどいいバランスってなんだろう?

仕事・家事・育児。皆さんは、どのようにバランスをとって日々過ごしていますか?
というのも、先日、何人かの友人たちと久しぶりにゆっくり話す機会がありました。仕事が忙しかったり、産後間もなく育児に奔走していたり、それぞれで状況は違うものの、共通して話題にあがったのが、暮らしのちょうどいいバランスについてです。
そこで今回は、ライフスタイルが異なる3人の、暮らしのバランスにまつわるエピソードをご紹介します。

夫婦で補い合う、家事と育児の得意・不得意

同い年のMちゃんは、4歳と0歳の子どもを育てる二児の母。そんな子育て奮闘中の彼女と私の会話は、育児の話でもちきりでした。



日々の子育てで幸せを感じる一方で、息抜きする時間がなく大変な思いをしているママも多いはず。そんな時、どうしてる?と聞いてみました。
「最初は家事も育児も私が頑張らなきゃと思っていたけど、疲れが溜まっていって……。
このままじゃ良くないと、思い切って夫に相談したの」とMちゃん。
夫婦で話してみると、家事や育児に対して、お互いに得意・不得意があることが分かったのだといいます。



「私は、育児の中でお風呂と寝かしつけが苦手で。それを相談したら、『それなら僕がやるよ』と夫がすんなり引き受けてくれたの」
旦那さんが子ども達とお風呂に入ったり、寝かしつけをしたりしている間は、Mちゃんにとって束の間のひとり時間。自分のペースで好きなことができる、大切な息抜きの時間になっているようです。



「逆に、洗濯物を畳んだり、部屋を綺麗に掃除したりするのは、夫の苦手分野だから100%私がすることにしているよ」 そんなMちゃんは、産後数か月にも関わらず、今が一番、暮らしのベストバランスがとれていると実感しているそうです。
夫婦で家事や育児を分担すること。それは、単なる「タスクの軽減」だけではなく、心をも軽くしてくれることに、改めて気づかされました。

人に頼る勇気をもつことで、心に余白が生まれた

ふたり目は、いつでも、どんなことも全力で頑張るIちゃんです。月に一度は必ず電話をして、お互いの近況報告をしている私たち。
1ヶ月ぶりの電話で「最近どう?」と、私。
「元気なかったけど、やっと元気になってきたところ」と、Iちゃん。
聞けば、仕事の異動、日々の激務、度重なる出張により、体調を崩していたのだそうです。



仕事の責任者である彼女。実は、ダウンしてしまった数日後には、大切なプレゼンを控えていました。しかし代役はおらず、頼るとすれば遠方のオフィスにいる上司しかいない状況。本当は自分でなんとかしたいけれど、声が出なくなってしまい、プレゼンができる状況ではありません。悩みながらも上司に相談すると、ふたつ返事で代役を引き受け、泊りがけの出張を組んでくれたそうです。「心配しないで、今は身体を治すことだけ考えてね」という上司からの言葉に心底救われたのだとか。



「無理したらアカンね」と話すIちゃんの声色は、心なしか少し明るく聞こえました。
人を頼るというのは、簡単そうで、実は難しいもの。それでも、勇気を出して助けを求めた先に、大きな安心感や心の余白をみつけたIちゃん。それらは、日々頑張る彼女を優しく後押しし、時には休むことの大切さも教えてくれるような気がします。

力の入れどころ、抜きどころ

最後は私自身のお話です。3歳と5歳の子ども達を育てながら、フリーランスのライターとして文章を書くことを仕事にしています。



子育てしながら働いていると、代わりがいないプレッシャーや、子ども達が熱を出したらどうしようという不安から、心は常に緊張しています。
同時に、やりたい仕事はあるけれど、育児との狭間で葛藤したり、時に諦めたりすることも。世の働くママ達の多くは、きっと私と同じように、色々な想いを抱えて働いているのだろうと思います。



仕事も育児もちゃんとやりたいのに、限られた時間の中で、もがく日々。自分の理想通りに動けないことが悔しくて、心にも余裕がない時、勝手に溢れ出してくる涙によって、ふと我に返るのです。思い返せば、社会人1年目や、産後など、人生のあらゆる場面で、涙は私にピンチを知らせてくれました。



そんな涙ですが、そういえば、ここ最近はずっと泣いていません。理由はきっと、昔よりも上手な力の抜き方を身につけたことで、生活にゆとりが生まれたからです。
「全部ちゃんとやりたい」と必死になっていた以前の私と比べて、今は、自分に大切なものさえ守れていたら、後は力を抜くことにしています。
ご飯を作るのがしんどい時は、いきつけのお惣菜屋さんを利用します。休日は目覚まし時計をこっそり10分遅らせるし、掃除ができない日があっても良いと思えるようになりました。そうして余裕が生まれると、子どもと全力で遊ぶことも、仕事にぐっと集中することも、前よりずっとスムーズにできるようになったのです。



大切なことに力を注ぐために、どこかで力を抜く。フリーランスママ歴2年にして、今の自分にちょうどいい生活リズムがだんだんとみえてきました。

変わりゆく暮らしを楽しむ

昔、ラジオから流れてきて好きになった「100種生活」という歌があります。



「100種生活」 盧廣仲

“果てしない宇宙の
どこにあるんだろう
僕の思い描く生き方って
そもそも100通りはあって
ずっとずっと
あとになって
やっと知ることになるはず
100通りある
僕の生き方”



生活は、時間の経過やライフスタイルの変化によって、少しずつ変わっていきます。
そうやって生きていく未来には、100種以上もの生活が広がっている。そこから何を選び、どの道に進むかは自分次第。そう考えたら、宝さがしのようでワクワクしてきませんか?
ままならない日々、もがく自分もあっていい。トライ&エラーを繰り返して、自分にとっての朗らかな未来に向かって、今日もまた暮らしを楽しんでいきたいです。

顔写真
Profile 佐藤ちえみ
京都在住のフリーライター。京都好きが高じて、家族で京都に移住し4年目。京都・子育て・暮らしをテーマに執筆活動する傍ら、プライベートでは3歳と5歳を育てる二児の母。

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