どうしよう。何も浮かばず、頭が真っ白だ。
日常生活の中で、そうしたシーンは時より訪れます。
疲れた日の夕飯の献立。
雨の日の、子どもとの過ごし方。
考えても考えてもピンとくる答えが見つからない、なんてことは日常茶飯事。
外食すれば、おもちゃを買えば、その悩みは一瞬回避できたような気になりますが、なんだかスッキリしない!
そして気づくのです。私が欲しいのは、代替案ではなく、アイデアなのだと。
子どもは身近なアイデアマン
私にとって、一番身近なアイデアマンは子ども達かもしれません。
先日、京都に記録的な大雪が降りました。幼稚園はお休みし、午前中は公園で思い切り雪あそび。帰宅してお昼ご飯を食べ、午後は何して遊ぼうかと全員でアイデアを絞りだします。
「やることないね~」「暇だね~」とゴロゴロすること30分。
私が「お絵描きは?」と言うと、「ただのお絵描きじゃつまらないから、絵本を作るのはどう?」と5歳の娘が提案してくれました。
ああでもない、こうでもないとストーリーを考え、文章を考え、絵を描いて完成した、オリジナル絵本。
ついさっきまで仏頂面で、暇だ暇だとぼやいていたのに、アイデアひとつで楽しい時間が生まれました。
その後も、カバンに付けていて壊れてしまったチャームとヘアゴムを使ってヤリングを作ったり、謎の「お手拭き屋さんごっこ」を始めたり、延々と続く、ちょっと変わったオリジナル遊びの数々。
想像力とアイデアがあると、遊びの幅は無限大。その場しのぎでおもちゃに頼るのではなく、自分たちで生み出す楽しさを、子ども達は体現しているのです。(本音はおもちゃを求めているのかもしれませんが……笑)
仕事のアイデアを模索する日々
子育てだけではなく、仕事でもアイデアは必要です。それを強く感じたのは、まさにこの連載の企画を考えていた、先日のこと。
昨年9月から始まった連載も、今回で18回目を迎えます。最初は私自身が日常で意識していることや、生活に取り入れている行動などについて書いてきました。しかし、途中から企画を書く手が止まりがちに……。真っ白なパソコンの画面とにらめっこをする日も、実は結構ありました。
それでも書き続けてこられたのは、日々の中での些細な行動や思考にも、アイデアが宿っていることに気づけたから。
自分には何もないと思っていたけれど、友人との何気ない会話で「そのアイデアいいね!」と言ってもらって初めて気づいたり、逆に友人の何気ない行動に感化されたりすることも多くなりました。
アイデアが生まれるとき
仕事でも、日常でも、共通しているのは「何かが足りない時にこそ、アイデアは生まれる」ということ。
検索すれば、誰かが書いた答えめいたものが簡単に見つかる。
お金を出せば、必要なものもすぐに手に入る。
それはとても便利だけれど、時に味気ない。
頭が真っ白になった時にこそ「今がチャンス!」と思えるように。
その思考がやがてクセになり、息をするように自然にできるようになったら。ないないづくしに見える日々の、その奥深くにあるアイデアの源泉を掘り当てて、楽しく暮らせるのではないでしょうか。
という理想を描きながら、今日も今日とて熱を出して幼稚園を休んだ息子が「お昼寝しない!」と大宣言。朝から「何して遊ぶ?」と、アイデア探しの旅(修行)は続きます。
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