キラリオインテリアの竹中です。
本日のキラリオマガジンは、織物の生産が盛んなインド織の特徴についてお伝えしたいと思います。
絨毯やカーペットの生産国と言えば、ペルシャ絨毯に代表されるイラン、幾何学模様から花や植物、動物、円形模様等の大胆なデザインが多い、トルコ、ウィルトン織機によっておられたウィルトン織が有名なイギリス、そしてある資料によると、現在も織物の80%は手織りによって作られている手織りが有名なインドなどがあります。
上記にも書かせて頂きましたが、インド製の手織りラグは1点1点職人の方が手織り(ハンドメイド)で製作しているために、機械生産では感じることができない、素朴でやわらかい印象は、手作りだからこその魅力。
それぞれ個体差がある不均一な表情も、手仕事で作られた製品ならではの魅力、それがインド製。
〇簡単にラグができるまでの工程をご紹介します。
1.糸をつむぐ
ウールやコットンの繊維を ラグ を作るための糸にしていきます。繊維から糸を作ることを「紡績」と言い、インドでは素材によっては、手で一から紡績しているものもあります。
2.糸を染める
紡績を行い糸にしたものを染めていきます。染料で染めた後天日干しで乾かし、糸の加工や織り機などにセットしやすいように、巻き替えを行います。
3.織る
用意した糸を使って ラグ を職人が織り上げていきます。写真は手織機による生産の写真です。
織り方も様々で基本的には殆ど人の手によって ラグが作られています。
4.仕上げ
織りあがったら、製品によっては洗いをかけたり加工を施し、検品等のチェックを終え商品として出荷。
〇ラグを織る際のテクニックについて
ラグとひとくちに言っても織る・編・結ぶ・植えつける等など様々なテクニックがあります。
テクニックの知識があると今までなんとなく見ていた ラグ が少し面白くなるかもしれません。
≪ハンドルーム/手織り機で織る≫
手織り機により縦糸を上げ下げして、緯糸を縦糸に絡ませていきます。手織りの中では比較的均一に織りあがり、単純な柄パターンの作製に向いていて、複雑な柄等はあまり表現できません。
人の手によって織られているので織り方の密度にムラがあります。
≪パンジャ織/キリム≫
縦糸を地面と水平又は平行に張って、緯糸を手でからませていき、爪のような専用の道具で糸を打ち込んでいきます。
キリム柄や複雑な柄を織るときはこの織り方でラグを作ります。ラグ の織り方としては歴史が古く、NATIVE AMERICANのラグや中央アジアのキリム等もほぼ同様の織り方です。
柄が均一でなかったりムラがどうしても生じますが、それが一つの「味」になっている物が多いです。
≪ハンドノット/結ぶ≫
ラグの製造法としては、最も歴史の古い手法が、ハンドノットです。 たて糸にパイルを結び、カットしながら織っていく為、1枚のラグを作るのに非常に時間がかかるのが特徴です。
色や柄が最も自由に作れる事から、美術工芸品的な意味合いを持つラグも数多く存在します。
ハンドメイドのギャッベやペルシャ絨毯もこの技法で、中には数百万の値がつく ラグもあります。
〇RUG素材の特性について
【すべての手織りRUGに共通する事】
インド織の多くはハンドメイドです。機械での大量生産と違い均一の力で作ることができません。
一枚一枚表情が異なることは勿論、経年変化による歪みや変化は避けられるものではありません。
一方、手織りでしか表現できない表情やぬくもりは代えがたいものでもあるのです。
・コットン
「コットン素材の特徴」
【メリット】
コットンは吸湿性に優れオールシーズン快適に使うことができます、肌あたりも良く汗等も吸収してくれる為、素足で過ごすことも多い日本の住環境に合った素材です。染色等で加工しやすく多彩な色の表現が可能な素材です。
【デメリット】ウールやそのほかの素材と比較すると耐久性にはやや劣ります。長い期間使用しているとヘタリ等経年の変化が目に見えやすい素材です。
>>>ラグマット BasShu ERIVAN RUG
・ウール
「ウール素材の特徴」
【メリット】吸湿速乾性と保温性両方に優れ、部屋の湿気を吸い取りドライに保つ効果があります。
繊維特性として少量の水分ならはじくことから汚れにくく、繊維がつぶれても復元力があるため丈夫です。
天然素材の中でRUGにもっとも適した素材で、ウール素材のラグは染色すると独特の深みのある発色になります。
【デメリット】その反面RUGの技法によっては遊び毛が出る物もあり、遊び毛のケアを気になさるお客様も多いです。
経年使用で軽減されますが、ウール特有の匂いもあります。
使用されている糸によっては、コットンに比べ肌当たりがややチクチクすることあります。
・ジュート/ヘンプ/レザー
「ジュート/ヘンプ/レザー素材の特徴」
【メリット】ジュート・ヘンプは植物の茎や皮から取れる繊維で通気性が良くナチュラルな風合いが特徴。
繊維の強度も高いため玄関マット等、歩行頻度が高い場所に使用されることが多い素材です。
肌あたりはドライですが、保温性もあるため冬でも使用が可能です。
レザーも同様に耐久性が高く、レザー独特の質感があるため、他の素材とミックスして使用されることが多い素材です。
【デメリット】肌辺りは素足で歩くと繊維がチクチクするため、素足で過ごす時間が長い日本ではあまり普及していない素材でもあります。
ウールの遊び毛のように植物性繊維が抜ける為、同様のケアが必要です。
インド製のラグの特徴や素材の知識を少しでも持っているだけでも、ラグ選びの際に見る・選ぶポイントが今まで変わり、楽しくなりそうですね♪